坊っちゃん列車3月再開へ

運転士不足が深刻だなどとして運休している松山市の観光列車「坊っちゃん列車」についてです。運行する伊予鉄グループは運転士を確保するめどが立ちつつあることから3月に運行を再開すると正式に発表しました。
「坊っちゃん列車」は伊予鉄グループが運転士不足が深刻だなどとして令和5年11月から運休していて、松山市が今後のあり方について検討しています。こうした中、伊予鉄グループは、3月20日に運行を再開すると1日、正式に発表しました。伊予鉄グループは、春の労使交渉を前倒しして1月に賃上げを実施するなどした結果、採用活動が進み、人手が完全に足りているわけではないものの運行が可能になる人員を確保するめどが立ちつつあるとしています。再開後はこれまでと同じように土日と祝日に運行されます。「坊っちゃん列車」が運行を休止して以降、市は令和5年12月に今後のあり方を協議するため観光業界、経済団体などを交えた検討会を設置。この中では、伊予鉄グループは、毎年運行による赤字が出ていて、その額はコロナ禍を除いて年間2000万円から1億円にのぼると訴え、費用をどう負担するかも大きな課題として浮上しています。これを受けて松山市は通信アプリのLINEでアンケート調査を行いました。この中では、「運行再開した方がいいか」という質問に、「はい」と答えた人に「税金を活用して支援した方がいいか」尋ねたところ、「はい」が25.7%、「一部のみ」が55.7%、「いいえ」は17.2%でした。運行再開について伊予鉄グループの清水一郎社長は「運行できる乗務員の確保のめどはつきつつあるが、今後も状況は厳しく松山市などと協議していく」としています。一方、松山市観光・国際交流課は「運行再開はうれしく思う。ただ、これまでの説明から赤字での運行が見込まれるので持続可能な運行に向けて協議しできるだけ早く対応したい」としていて、運行再開後も双方による協議の行方が焦点となります。市では、今後、運行再開に合わせてふるさと納税の仕組みを活用したクラウドファンディングも実施するということで、こうした対策で安定的に運行が維持できるのか注目されます。