今治市大島の魚 ドローンや路線バスなどで輸送する実証実験

物流業界での人手不足の深刻化が懸念される中、今治市の大島で水揚げされた魚をドローンや路線バスなども使って東京に輸送し、新たな輸送手段として検討する実証実験が行われました。

実験は今治市や伊予銀行などが、島や山間部からの新たな輸送手段を検討しようと行いました。
物流業界では、ことし4月からトラックドライバーの時間外労働の規制が強化されることで人手不足が深刻化するいわゆる「2024年問題」が懸念されていて、その対策になるか検証する狙いもあります。
22日は午前7時ごろに関係者30人あまりが集まり、タイやイカおよそ7キロが入った箱をドローンに取り付け、10分あまりかけて今治港に運びました。
そして、今治市と松山市との間で乗客を乗せて運行されている路線バスで松山空港に運んだあと、旅客機で羽田空港まで空輸しました。
実験で使うドローンは時速20キロから40キロほどですが、渋滞の影響を受けないため、車と比べて同じくらいか速いということです。
一度に運べる量が少ないことや機体の価格が高いことなどが課題で、今後は利益が出るよう比較的、単価の高い鮮魚の輸送で実用化を目指し、飛行する距離を伸ばすなどして実験を重ねることにしています。
伊予銀行地域創生部の五十嵐修参与は、「今後、ドローンの価格が下がり人がいる場所でも飛ばせるようになれば1日に何往復もさせて費用対効果を出せるようにしたい」と話していました。