松山地裁 松山大学に未払い賃金など支払い命じる

松山大学の教授らが、大学側が裁量労働制の導入に当たって締結した労使協定の手続きに問題があるなどとして、導入後に支給されなくなった残業代の支払いなどを求めている裁判で、松山地方裁判所は、労使協定は無効と認め、大学側に未払いの賃金などおよそ1800万円の支払いを命じました。

この裁判は、松山大学の法学部の教授3人が、平成30年4月の裁量労働制の導入に伴い支給されなくなった夜間や休日の残業代など合わせて3700万円あまりの支払いなどを大学側に求めたものです。
原告側は制度の導入に当たって大学が締結した労使協定の手続きには問題があるなどと協定の無効を訴えたのに対して、大学側は訴えを退けるよう求めました。
20日の判決で、松山地方裁判所の柴田憲史裁判長は「裁量労働制の採用に当たっては労働者の過半数を代表する者と書面で協定を締結する必要があるが、代表者の選出手続きは有権者全体の25%に過ぎない」などと指摘し、協定は無効だとする判断を示しました。
そのうえで、松山大学が導入した裁量労働制は違法だとして、大学側に時効の成立しない期間の未払いの賃金などおよそ1800万円の支払いを命じました。
判決を受けて原告の遠藤泰弘教授は「しっかりとした判決だと受け止めている。大学には職場ときちんと向き合うよう姿勢を改めてほしい」と話していました。
一方、松山大学は「判決内容を精査して適切に対応する」とコメントしています。