人間環境大などの研究G 本わさび成分で記憶力向上と発表

松山市の人間環境大学や東北大学などによる研究グループが、日本原産の「本わさび」特有の成分を摂取し続けることで高齢者の記憶力の向上が見られたという研究成果を発表しました。

松山市の人間環境大学の野内類教授や東北大学の研究者などのグループは、「本わさび」の根茎に特有の「ヘキサラファン」という成分に注目して記憶力との関係について研究を進めました。
研究では60歳から76歳の男女72人について、「ヘキサラファン」が0.8ミリグラム含まれるサプリメントを12週間、毎日摂取したグループと摂取しないグループに分け、それぞれ摂取前と摂取後に記憶力に関するテストを行いました。
その結果、摂取したグループでは摂取前のテストから成績が大きく改善し、摂取しなかったグループと比べても成績の伸び方が大きかったということで、野内教授らは記憶力の向上が見られたとしています。
実験で使用したサプリメントに含まれる「ヘキサラファン」は、本わさびの根茎5グラム程度、すりおろしたものでスプーン1杯程度で摂取できる量だということです。
野内教授は「わさびはそれ単体でもほかの料理に添えてという形でも食べられるので比較的簡単に、日常的に摂取することができると思う。高齢者施設などでも認知症予防や健康増進のために活用していけるのではないか」と話しています。