国交付の森林環境譲与税の45%が活用されず基金化

森林の整備などを目的に国から愛媛県の市と町に交付された森林環境譲与税30億5000万円あまりのうち45%が活用されず基金として積み立てられていることがわかりました。県は今後、市や町に職員を派遣したり、研修会を開いたりして活用を促していきたいとしています。

森林環境譲与税は森林整備などを進めてもらおうと、国から全国の自治体に交付されているもので、令和6年度中からは、その財源として1人あたり年間1000円が個人住民税に上乗せされて徴収されます。この譲与税の使い道について愛媛県に取材したところ、制度が導入された令和元年度から令和4年度までに県内の市と町に交付された30億5349万円のうち13億6080万円、率にして45%が活用されず基金として積み立てられていることがわかりました。このうち5つの市と町が、交付された70%以上を基金として積み立てていて、割合が高い順に上島町の95%、松前町の79%、今治市の75%、四国中央市の71%八幡浜市の70%などとなっています。一方、久万高原町は県内で唯一、交付された5億6391万円の全額を活用していて、事業者に機械などを購入してもらうための補助金や林道の整備費などにあてています。愛媛県によりますと、森林の面積が比較的狭い市や町では事業者が少ないため使い道が限られているほか、森林整備を担当する職員も確保できず譲与税を有効に活用できていないということです。県は市や町に職員を派遣したり、研修会を開いたりして活用を促すことにしていて「今年度末までに基金としての積立を全体の26%にまで減少させたい」としています。