松山市で医療の安全について考える講演会

県内で医療事故が起きている現状について知ってもらおうと、事故の訴訟を担当する弁護士などが松山市で講演しました。

講演会には、医療事故で家族を失った遺族や、事故の訴訟を担当する弁護士、それに医療関係者などおよそ50人が参加しました。このなかで、長年、医療事故の訴訟を担当する愛知県の加藤良夫弁護士が、医療事故が起きたかどうかの判断を病院側が行う国の基準には問題があり、なかには、事故を隠そうとする病院もあると指摘しました。また、10年前に母親が愛媛県内の県立病院で検査中に医療事故で亡くなったという矢野恵子さんは「医療事故の被害にあった人が助けを求められる窓口を増やしてほしい」と訴えました。患者が予期せぬ形で死亡した場合、医療機関が自ら調査して結果を報告する「医療事故調査・支援センター」によりますと、県内では平成27年から去年(R4)までの7年あまりで34件の医療事故が報告されています。講演を聞いた松山市の50代の女性は「事故を隠したりごまかしたりせずに改善していける社会になってほしいと思います」と話していました。