松山市でウクライナ出身者が高校生に講演

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続き、避難生活が長期化するなか、ウクライナ出身でウクライナからの避難者に対する心のケアに取り組む大学教員が、松山市の高校で講演しました。

松山市の松山学院高校で講演したのは、ウクライナの首都キーウ出身で、避難者の心のケアに取り組む関西看護医療大学の花村カテリーナ助教です。オンラインを含めて全校生徒およそ730人が参加し、花村さんは、はじめに軍事侵攻前のウクライナの自然豊かな景色や日常生活を紹介して「本当に攻め込んでくるとは思っていなかった」と当時を振り返りました。花村さんは心理士でもあり、日本が避難者の受け入れを始めたことをきっかけに、無料のカウンセリング始めたということで、避難者は、友人などを残して自分だけ避難してきたことの罪悪感に悩んでいたり、将来が見通せず、孤立を深めたりしていると話して、継続的な心のケアが必要だと訴えました。そのうえで、花村さんは「ウクライナの人たちは支援してくれる人ではなく、一緒に歩んでくれる人を求めている。思考停止の先に『平和』はありえないので、何もできないと感じても一緒に考え続けることを忘れないでほしい」と生徒たちに呼びかけていました。参加した3年生の男子生徒は「自分でも情報を集めてウクライナのことを考え続けていきたい」と話していました。