伊予鉄G 交通系ICカード10種類導入へ

松山市に本社がある「伊予鉄グループ」は、利用客の利便性向上につなげようと、来年3月から、松山市内を走る路面電車と空港などを結ぶリムジンバスを対象に交通系ICカード10種類を導入すると発表しました。

伊予鉄グループが導入する交通系ICカードは、JR西日本の「ICOCA」やJR東日本の「Suica」、それに、首都圏の私鉄や地下鉄などの「PASMO」などあわせて10種類です。
対象となるのは松山市内を走る路面電車と、空港と市街地を結ぶリムジンバスで来年3月から導入されます。
一方、伊予鉄グループが独自に発行している「い〜カード」も引き続き利用可能です。
「ICOCA」などの交通系ICカードは都市部などを中心に各地で導入が進んでいますが、県内の交通機関では対応していませんでした。
会社側としては利用客の利便性向上につなげるとともに、運転手不足が深刻化する中、乗客の乗り降りをスムーズにすることで、運転手の負担軽減を図る狙いもあります。
伊予鉄グループの清水一郎社長は、「コストなどの負担はあるが、利便性向上のために導入を決めた。スマートフォンをタッチするだけでも乗り降り可能にもなるのでぜひご利用いただきたい」とコメントしています。
路面電車などを運行する伊予鉄道の毛利圭蔵常務取締役は、「観光客や仕事で松山市を訪れた方からは全国共通のICカードを利用したいという声が以前からあり、JR西日本と協議して導入を決めました。キャッシュレス化が進むことで小銭の両替などの手間が減り、利用者にとって乗り降りがスムーズになるとともに、乗務員の対応も解消され、定時運行の維持も期待できます」と話していました。

【利用者は】
「ICOCA」などの交通系ICカードが県内でも一部の交通機関で使えるようになることについて、松山市の中心部で聞きました。
仕事でたびたび愛媛県を訪れるという東京の50代の男性は、「毎回、空港からリムジンバスを利用するとき、現金で対応しないといけなかったので便利になって助かります。市内の電車も使えれば仕事の空いた時間に観光しやすくなりますね」と話していました。
また、大阪から観光で訪れていた20代の女性は「ふだんから『ICOCA』を使っているので、同じカードが使えるのはうれしいです」と話していました。
このほか、松山市の30代の女性は「県外から来た友人がICカードを使えずに困ったという話をよく聞いていました。コロナで観光客が減ってしまいましたが、便利になることで観光客の増加につながればいいです」と話していました。