助成金詐欺で元鳥取県議に実刑判決

うその申請を行って新型コロナ対策の国の助成金およそ2900万円をだまし取った罪に問われた鳥取県の元県議会議員に対し、松山地方裁判所は「助成金を迅速に給付するため審査が簡易になったことを悪用した犯行で、利欲目的な動機は悪質だ」などとして、懲役3年6か月の実刑判決を言い渡しました。

鳥取県の元県議会議員、平井伸治被告は(55)令和3年から令和4年にかけて新型コロナ対策としての国の助成金制度について、松山市の飲食店とホテル運営会社の申請を巡り、従業員を休業させ手当を支給したなどとうその申請を行ってあわせて2900万円近くをだまし取るなどしたとして詐欺などの罪に問われました。18日の判決で、松山地方裁判所の高場理恵裁判官は「被告はコロナ禍の中、助成金を迅速に支給するため審査が簡易になったことを悪用し、不正が発覚しても返金すれば検挙されないなどと考え犯行に及んだ」などと指摘しました。そのうえで「詐欺の手法を事業者に教えるなど主要な役割を果たし、手数料名目に利益を得るビジネスにまで発展させようとしていて、利欲目的な動機は悪質だ」などとして、懲役6年の求刑に対して懲役3年6か月の実刑判決を言い渡しました。
事件を巡っては松山市の飲食店経営、水野清子被告も(60)共犯として起訴されていて、松山地方裁判所で審理が続いています。