エンバーミングに関するセミナー

亡くなった人との別れの時を大切にしようと、遺体に化粧を施すなど、生前に近い状態に修復する「エンバーミング」についてのセミナーが松山市で開かれました。

「エンバーミング」は、遺体を衛生的に保存したり、化粧をしたりして、生前に近い状態に修復する処置のことです。4日、松山市で開かれたセミナーには、葬儀会社の担当者などが参加し、法医学に詳しい杏林大学の佐藤喜宣名誉教授が講演しました。佐藤名誉教授は、「東日本大震災では、亡くなった家族と対面した遺族が、遺体の損傷の激しさに心に大きな傷を負うケースがあった。エンバーミングによって生前の自然な姿に戻った遺体に触れることで、遺族の心のケアにもつながる」と話しました。セミナーを主催した日本遺体衛生保全協会によりますと、令和4年のエンバーミングの実施件数は7万件あまりで、この10年で2.5倍ほど増えているということです。エンバーミングの実施には、協会の基準に基づく資格や施設が求められていて、協会の認定施設は全国に30の都道府県83か所ありますが、四国には存在していないということです。日本遺体衛生保全協会の加藤裕二事務局長は「故人とのお別れの時間を大切にしたいという人が増える中、エンバーミングの人手が足りていない。四国にもエンバーミングができる施設を立ち上げてもらいたいです」と話していました。