県 来月から新型コロナの医療体制見直しへ

愛媛県は来月1日から新型コロナウイルスの医療体制を見直し、これまで一定数確保してきた入院患者用の病床を、今後は入院患者の数に応じて増減させると発表しました。

それによりますと、県はこれまで新型コロナの入院患者用に県内107の医療機関で合わせて464床確保してきました。
しかし、コロナの感染症法上の位置づけが5類に移行し、多くの医療機関で患者の受け入れが可能になったことを受け、来月1日からは入院患者の数に応じて確保病床の数を増減させるということです。
具体的には、入院患者が260人以下の場合は「段階0」として病床は確保せず、260人以上の場合は「段階1」として上限32床まで、391人以上の場合は「段階2」として上限129床まで確保します。
さらに、625人以上の場合は「段階3」として、その後の感染状況を試算したうえで、確保病床の数を決めるということです。
一方、24時間、コロナ関連の電話相談に応じる「受診相談センター」や、高齢者施設でのウイルス検査は継続していくということです。
愛媛県の中田一郎感染症対策調整監は、「今後も感染対策に関する情報発信を続けるとともに、入院患者や重症者の状況を分析して、医療提供体制に混乱が生じないよう医療機関と連携していきたい」と話していました。
【1医療機関あたりの患者数 2週連続で減少】
愛媛県は29日、新型コロナウイルスの「定点把握」による感染状況を発表し、今月24日までの1週間の患者数は、1医療機関あたり10.54人で前の週より5.87人減って2週連続で減少しました。
新型コロナの「定点把握」による感染状況について、県は毎週、県内61の医療機関からの報告をまとめて公表しています。
それによりますと、今月24日までの1週間に報告された患者数は643人で、前の週より358人減りました。
1医療機関あたりの平均の患者数は10.54人で、前の週より5.87人減って2週連続で減少しました。
1医療機関あたりの患者数を保健所別にみますと、四国中央保健所が17人で最も多く、次いで、西条保健所が16.6人、宇和島保健所が15.29人、今治保健所が10.25人、八幡浜保健所が7.71人、中予保健所が6.86人、松山市保健所が5.94人となっています。
医療の状況です。
27日の時点で県が確保している病床、464床に入院しているコロナ患者は68人で、病床に占める入院患者の割合「病床使用率」は、14.7%となっています。
このうち、人工呼吸器などが必要な重症者は前の週はいませんでしたが、2人となっています。
医療機関と高齢者施設で確認されたおおむね10人以上の新たな集団感染は、医療機関では松山市で2件、今治市で1件、高齢者施設では西条市で2件、松山市で1件のあわせて6件確認されました。
県は、引き続き定期的な換気や場面に応じたマスクの着用など対策の徹底を呼びかけています。