旧日本海軍の戦闘機「紫電改」 新たな展示館の概要案

愛南町にある旧日本海軍の戦闘機「紫電改」の展示館の建て替えについて検討する会議が開かれ、新たな展示館の概要案が示されました。

愛南町にある太平洋戦争末期の旧日本海軍の戦闘機「紫電改」の展示館は県営の施設で、国内で唯一、現存する機体を展示していますが、来館者の減少や施設の老朽化などから2026年度の完成を目標に建て替えられることが決まっています。
こうした中、7日、展示館の整備について検討する会議が松山市で開かれ新たな展示館の概要案が初めて示されました。
それによりますと、新たな展示館は三角形のかたちをした2階建てで、「紫電改」が引き揚げられた久良湾に向けて「くさび」を打ち込むように建てるとしていて、恒久平和を祈る場にするという意味が込められています。
また内部は、「紫電改」の機体や資料の展示コーナーなどを一筆書きで回れるようにするほか、スロープを設置しさまざまな角度から機体を見学できるようにするということです。
このほか、屋根の一部には、愛媛県産の木材を使用することなども盛り込んでいて、県は今年度中に詳しい設計図をまとめたいとしています。
設計を担当する建築家の遠藤克彦さんは、「『紫電改」が飛んだ空、見つかった海、それに機体の3つがわかりやすく伝わるように案を考えました。訪れる人たちが、歴史や平和について考える場所になればと思います」と話していました。
愛媛県都市整備課の田口真主幹は、「平和を祈る場所としての大きな方向性を示すことができたので、今後、いろいろな声を聞きつつ、展示内容などの検討を進めていきたい」と話していました。