災害の記憶継承にデジタル技術活用 西予市でNPO職員講演

5年前の西日本豪雨で被災した西予市野村町で、災害の記憶を継承しようと、デジタル技術を活用した取り組みを行っているNPOの職員を招いて講演会が行われました。

これは愛媛大学の学生たちが、西日本豪雨の災害の記憶を
継承しようと企画したもので、野村町の会場には、地元の住民などおよそ50人が集まりました。講演したのは、東日本大震災で被災した岩手県野田村で、デジタル技術を活用した取り組みを行っているNPO法人、「北いわて未来ラボ」の神先真さんです。神先さんは、子どもの防災学習用に開発したアプリを使うことで、被災地の災害前と災害直後の写真を見比べられたり、住民が避難するのに使った
道を歩くと避難方法が確認できたりすることなどを紹介しました。講演のあと、住民たちは、野村町で行いたい取り組みについて話し合い「被害が大きかった場所の被災前後の様子を視覚的に伝えたい」とか、「AR=拡張現実技術を使って当時の浸水の状況を分かりやすく伝えたい」といった意見が出ていました。講演を企画した愛媛大学3年生の石本雄大さんは「豪雨から5年がたち、記憶の伝承が課題となっているので、町を訪れた人にも使ってもらえるような記憶を風化させないものを作りたい」と話していました。