JR松山駅近くの遺跡 南海トラフ最古の大地震痕跡か

JR松山駅近くの遺跡で、文献に残る最古の南海トラフの地震よりもさらに100年以上前の西暦500年から550年の間頃に発生したとみられる大地震の痕跡が発見されました。
愛媛県埋蔵文化財センターは、JR松山駅の高架化に伴う道路整備の一環として、駅の近くにある「辻町遺跡」の発掘調査を2年前から行っていて、このほど、大地震が発生した際に生じる「噴砂」と呼ばれる痕跡が見つかりました。
「噴砂」は大地震の際に地中の砂が液状化し地表に吹き出す現象で、通常は震度5強以上の地震で発生すると言われています。
今回、黒い粘土層の上に堆積した砂の層を引き裂くように吹き出した「噴砂」の跡が確認されました。
「噴砂」の跡がみられた層の近くで見つかった土器の年代などから、西暦500年から550年の間頃に大地震が発生したと考えられるということです。
文献として残っている最古の南海トラフの地震「白鳳地震」は、684年に発生しているため、これより100年以上前にも、大地震があったことが推定されるということです。
愛媛県埋蔵文化財センターの石貫睦子調査員は「今後の県内の地震研究の参考になる発見で、防災意識の向上につながることを期待しています」と話していました。
この遺跡の発掘調査は3月中に終了する予定で、遺跡は今回、発見された「噴砂」の跡を含め埋め戻されることになっています。