東日本大震災から子どもの安全考える
保育や学校現場で働く人たちに子どもの安全について考えてもらう講座が西条市で開かれ、東日本大震災で娘を亡くした男性が、災害に備えふだんから役割分担を決めて組織として子どもの命を守る重要性を訴えました。
この講座は愛媛大学と西条市が毎年開いているもので、19日はオンラインを含めて40人あまりの保育士や教職員などが参加しました。
講座では、東日本大震災による津波で、当時小学6年生だった次女を亡くした宮城県石巻市の佐藤敏郎さんが登壇しました。
佐藤さんの次女が通っていた大川小学校では津波で児童と教職員あわせて84人が犠牲になり、佐藤さんは写真を見せながら、校舎の2階の天井まで津波が到達したことや泥だらけの遺体やランドセルが並べられていたことなど当時の様子を語りました。
その上で実際の災害時には時間と情報が足りず的確な判断ができないため、ふだんから役割分担や意思決定の流れを決めておくことが重要で組織として、子どもの命を守ってほしいと訴えました。
講座に参加した保育士の女性は、「日頃から、対応を話し合う大切さを改めて感じました」と話していました。
また、西条市内でボランティアをしている男性は「日頃から子どもと接しているので、きょう学んだことを仲間にも伝えていきたい」と話していました。