横浜市教委 裁判に職員動員 市議会で理由や体質ただす声

横浜市教育委員会が性犯罪事件に関係した教員の裁判の傍聴に大量の職員を動員していた問題で、22日の市議会では動員の理由や組織の体質などをただす議員が相次ぎ、教育長が謝罪するとともに動員に至ったいきさつを検証していく考えを示しました。

横浜市教育委員会は教員が児童や生徒に行ったとされる性犯罪の4つの事件の裁判で傍聴席を埋めて一般の人の傍聴ができないよう2019年からことしにかけて行われたあわせて11回の公判に職員を大量に動員していました。
この問題について、22日開かれた横浜市議会の常任委員会で、下田康晴教育長は「児童生徒に対する配慮があったとはいえ、あってはならない、いきすぎな行為だ。今後起こらないように改革をしないといけない。大変申し訳ございません」と謝罪しました。
各議員からは市が理由として挙げている被害者側から要請が本当にあったのかどうかや憲法が定める裁判公開の原則に反するのではないかといった質問や疑問が相次ぎました。
また、「長年培われた組織体質を改革するのは簡単ではない。解体するような覚悟が必要だ」と教育委員会の姿勢を厳しく批判する意見も出されました。
これに対し、下田教育長は「私たち自身の本質的な責任だ。抜本的に組織を見直す作業をしっかりやらないといけない」と述べ、動員に至ったいきさつを検証していく考えを示しました。