視覚障害者宅に警察官違法立ち入り 神奈川県に賠償命じる判決

横浜市の視覚障害のある夫婦が、自宅を訪れた警察官から職務質問を受けた際「部屋の中まで無断で入られた」などとして賠償を求めた裁判で、横浜地方裁判所は警察官は夫婦に視覚障害があることを認識していたとしたうえで「人数などを伝え、部屋のどの場所まで立ち入っていいかを確認すべきだった」と指摘し、神奈川県に賠償を命じる判決を言い渡しました。

横浜市のマンションに住む視覚障害のある夫婦は、5年前、警察官5人が職務質問のために夫婦の部屋を訪れたことをめぐり「無断で部屋の中まで立ち入ってきたうえ、出て行くよう求めても居座られた」などとして、県に賠償を求める訴えを起こしていました。
21日の判決で、横浜地裁の高取真理子裁判長は「警察官は夫婦に視覚障害があることを認識していたのだから、訪問している人数や性別といった、視覚に障害がない人であれば把握できる情報を詳しく説明すべきだった」と指摘しました。
そのうえで「部屋のどの場所まで立ち入っていいかを夫婦に確認しておらず、違法だ」などとして県に対し合わせて27万円余りの賠償を命じました。
神奈川県警は「今後の対応については判決内容を検討の上、適切に対応します」などとコメントしています。