花粉症対策 県 無花粉スギの“エリート”生産で研究開始へ

花粉症対策を加速させようと、神奈川県は花粉を出さない遺伝子を持つ「無花粉スギ」のなかでも成長が早い品種を「エリートツリー」として生産するための研究を来年度から本格的に始めることになりました。

神奈川県では20年前、県内産のスギのなかから花粉を出さない遺伝子を持つ「無花粉スギ」を見つけ、その後、種子から育てて大量に生産する技術を開発し、スギ林の植え替えを進めています。
こうした花粉症対策を加速させようと、県は無花粉スギの中から成長が早い品種を「エリートツリー」として生産するための研究を来年度から本格的に始めることになりました。
具体的には、これまでに発見している通常より成長が1.5倍程度早い無花粉スギ900本余りのうち、「エリートツリー」の候補として高さや太さを吟味して20本程度を選抜します。
そのうえで、専用の機器で樹木の密度を調べたり、DNA鑑定で遺伝子を調べたりしてさらに優良な品種を「エリートツリー」として選抜し増やしていきたいとしています。
神奈川県自然環境保全センターの齋藤央嗣主任研究員は「花粉症は全国的な問題で、成長性も含めてできる限り優良な個体が生産できれば普及もより早まり、結果的に問題を早く解決できる」と話しています。