暗きょの用水路塗装工事6人倒れる シンナー中毒の可能性捜査

6日夜、神奈川県伊勢原市の暗きょになっている用水路内で、塗装工事をしていた作業員6人が倒れ、このうち3人が意識不明の状態で病院に運ばれた事故で、現場ではシンナーが使われていたことが、県への取材で分かりました。
3人は命に別状はないということで、警察は中毒になった可能性があるとみて、詳しい状況を調べています。

警察によりますと6日夜7時すぎ、伊勢原市高森の暗きょになっている用水路の工事現場で、20代から70代の男性作業員6人が倒れて病院に運ばれました。
このうち20代と40代、それに60代の3人は意識不明の状態で運ばれて治療を受けていますが、命に別状はないということです。
工事を発注する県によりますと、当時は用水路を補強するために設置した鉄板に、さび止めの塗装を行っていて、塗料の希釈にはシンナーを使っていたということです。
現場では、複数の送風機を設置するといった対策がとられていたということですが、警察は6人が中毒になった可能性があるとみて、詳しく調べています。

工事を発注した神奈川県によりますと、現場では去年11月ごろから、老朽化したトンネル状の用水路の内側に、鉄板を立てて補強する作業が行われていました。
6日は6人の作業員がさび止めのために鉄板を塗装する作業をしていて、塗料の希釈にはシンナーを使っていたということです。
作業が終了する午後5時ごろを過ぎても作業員が戻らないのを不審に思った責任者が様子を見に行ったところ、用水路内で6人が倒れているのを見つけました。
中毒を防ぐため、用水路の中には複数の送風機が設置されていたほか、作業員はマスクを着用していたということです。
県は「対策はとっていたが、結果として事故が起きてしまった。原因などを確認している」としています。
現場近くに住む男性は「2月中ごろには塗装の作業が始まっていたようでした。テレビや新聞で事故を知って驚きました。事故に遭われた方の無事を祈っています」と話していました。