ガザ地区ラファの病院 海老名のNPOから支援の食料届く

ガザ地区ラファの病院 海老名のNPOから支援の食料届く

ガザ地区南部のラファの病院に、神奈川県海老名市にあるNPOから支援の食料が届けられました。

支援を行ったのは海老名市のNPO「地球のステージ」で、今月7日、日本政府の資金を活用し、ラファの病院に入院する患者65人に対して、1か月分の食料を届けました。
病院には収容できる人数を大きく超える患者が運ばれていて、ほとんどの人は病室に入れずに、廊下に寝かされています。
医薬品や食料、それに医療スタッフが不足していて、十分な治療ができていないということです。
食料の支援は去年の11月から計画してきましたが、搬入経路を確保するのが困難で延期を繰り返し、ようやく届けることができたということで、米や小麦粉、鶏肉の缶詰などが入った袋を手渡された患者たちは、笑顔を見せていました。
このNPOは、21年前からガザ地区の支援を行っていて、去年12月からは、現地のスタッフが、子どもたちを集めて一緒に体を動かしたり、歌を歌ったりといった心のケアも行っています。
今後も医療品や食料などの支援を続ける予定だということです。
地球のステージ現地スタッフのモハマッド・マンスールさんは「とても苦労しましたが、食料を搬入することができました。日本のみなさんにとても感謝しています。しかし、病院内には多くの患者がいて、現場は非常に厳しい状況で、まだたくさんの食料や薬、医療スタッフが必要です」と話しています。

ガザ地区各地から100万人以上が避難するラファに対し、イスラエルは地上作戦の準備を進めるとしていて、現地からは一刻も早い戦闘の停止を求める声が上がっています。
イスラエルはこれまで、ガザ地区の北部や中部の住民に対し、南部に移動するよう呼びかけてきました。
ガザ地区の最も南にあるラファにはすでに100万人以上の住民が避難し、いわば「最後の避難場所」となっています。
現地では、食料、水、電気、住む場所などほとんどのものが不足していて、NPO「地球のステージ」の現地スタッフで、ジャーナリストのモハマッド・マンスールさんが撮影した写真には、子どもたちが食器を持って炊き出しに集まっている様子や、路上にテントが密集し、かたわらで火をたいて、厳しい寒さをしのいでいる様子などが写っています。
イスラエルのネタニヤフ首相は、ラファに対する地上作戦の準備をするよう指示を出していて、実施されれば住民や避難民に多数の犠牲者が出ると懸念されています。
モハマッドさんは「イスラエルは人々にラファにいくように言っているが、ずっと空爆が続き、毎日子ども達が死んでいる。この上、地上作戦が始まれば、想像もつかない地獄が訪れます。ラファの人たちは毎日恐怖に怯えています。世界はどうかこの戦争を止めて下さい」と話しています。