フィリピンで拘束の日本人8人 国内の特殊詐欺関与か 逮捕へ

4年前、フィリピン北部で現地の捜査当局に拘束された日本人8人が、日本にうその電話をかけて高齢者から現金をだまし取るなど、特殊詐欺事件に関わった疑いがあることが捜査関係者への取材で分かりました。
神奈川県警察本部は30日にも日本に移送して逮捕し、グループの実態解明を進めることにしています。

20代から30代の日本人8人は4年前の2020年2月、フィリピン北部ラグナ州のリゾート地のホテルで、就労ビザがないにもかかわらず働いていたなどとして現地の捜査当局に拘束されました。
ホテルの部屋からは多くの携帯電話やパソコン、それに詐欺の手口などが書かれたマニュアルが見つかり、日本の警察当局は特殊詐欺に関わったとみて捜査を進めていました。
捜査関係者によりますと、その結果、8人が2020年2月に拘束されるまでの間、東京や神奈川、それに静岡などの高齢者が被害にあった特殊詐欺事件に関わった疑いがあることが分かったということです。
これまでの調べで、8人は現地から国内の高齢者などにうその電話をかける「かけ子」だったとみられるということです。
神奈川県警は29日夜、20人ほどの捜査員を現地に派遣し、30日にも8人を日本に移送して逮捕し、グループの実態解明を進めることにしています。

東南アジアを拠点にした日本人の特殊詐欺グループの摘発は5年ほど前から相次いでいます。
警察庁によりますと、2019年以降、タイ、フィリピン、カンボジア、ベトナムの4か国で、9つの特殊詐欺グループが現地当局によって摘発され、日本の警察はこれらのグループのメンバーあわせて122人を検挙しています。
このうちフィリピンでは、今回逮捕された8人が収容されていたのと同じ首都マニラの入管施設から、「ルフィ」などと名乗り、日本国内での強盗事件を指示していたとして起訴された被告らが、特殊詐欺にも関わっていたとみられていて、これまでに被告らのグループのメンバー46人が検挙されています。