神奈川 藤沢市 2歳児死亡虐待事件 県が報告書を公表

去年、神奈川県藤沢市で2歳の子どもが死亡した児童虐待事件をめぐり、県は当時の児童相談所の対応などについて「子どもの安全確認に最大級の努力が必要だった」などと指摘した報告書を公表しました。

去年4月、藤沢市で2歳の男の子に暴行を加えて死亡させたとして27歳の母親が逮捕・起訴される事件があり、神奈川県は弁護士や医師などで作る有識者委員会を設置して当時の児童相談所の対応などの検証を進めてきました。
その結果をまとめた報告書が21日、公表され、問題点として乳児院から母親に引き取られた男の子と事件までのおよそ3週間、児童相談所が面会できなかった点を指摘しました。
新型コロナが感染拡大するなか、母親は発熱などを理由に面会を断り続けていたということで、報告書では「感染対策をしてアポイントなしで家庭を訪問するなど男の子の安全確認に最大級の努力が必要だった」としています。
そのうえで「児童相談所が介入する必要性を判断する基準を設け、関係機関との役割分担などを確認しておく必要がある」などと提言しました。
県子ども家庭課の臼井泉課長は「検証結果を大変重く受け止めている。関係機関でしっかり共有し、再発防止に努めたい」と話しています。