京浜工業地帯の製鉄所高炉が休止 100年余の鉄生産終了

京浜工業地帯の川崎市臨海部で稼働していた鉄鋼大手の製鉄所の高炉が国内市場の縮小などに伴って16日朝早く操業を休止し、100年余り続いた高炉による鉄の生産が終了しました。

高炉の操業が休止になったのは、川崎市の臨海部にある「JFEスチール東日本製鉄所京浜地区」です。
川崎市の臨海部では、100年余り前の大正時代にJFEの前身の日本鋼管が高炉を使った鉄の生産を始め、その後、日本の高度経済成長を支えた京浜工業地帯を象徴する産業になりました。
現在は1基の高炉が稼働していましたが、国内市場の縮小や、海外向けの輸出で競争が激化していることなどから会社は国内の生産能力を削減することを決め、16日午前3時半、高炉の操業を休止しました。
これで京浜工業地帯の川崎市臨海部で100年余り続いた高炉による鉄の生産は終了しました。
会社側は、社員については配置転換などで雇用を維持するとしていますが、転勤に応じられず退職する社員や関連企業の従業員で影響を受ける人もいるため、川崎市などは企業面接会を開いて再就職を支援しています。
また、東京ドーム47個分の広大な跡地については、川崎市とJFEが協力して2050年までに水素の供給拠点などの整備を目指すことになっています。

「JFEスチール東日本製鉄所京浜地区」の古米孝行所長は「100年以上受け継いできた高炉の火が大きな時代の変化のうねりの中で消えることへの残念な思いはあるが、新しい都市型製鉄所を目指し、全力で取り組んでいきたい」とコメントしています。