川崎市 削除要請のネット上の差別的な投稿 昨年度の15倍に

川崎市 削除要請のネット上の差別的な投稿 昨年度の15倍に

川崎市で、市民から条例に基づく削除要請を行うよう求められたインターネット上の差別的な投稿が、今年度はすでに300件にのぼり、昨年度の15倍になっていることがわかりました。
福田市長は「ネット上の人権侵害への対応を国でも議論してもらいたい」と話しています。

川崎市は3年前、公共の場所でヘイトスピーチといった民族差別をあおる言動を繰り返した場合に刑事罰を科すことを盛り込んだ全国初の条例を施行しました。
インターネット上の差別的な投稿については、審議会の諮問を経てSNSの運営会社などに削除要請を行っています。
市によりますと、市民から、条例に基づく削除要請を行うよう求められたネット上の差別的な投稿が、今年度はすでにおよそ300件になり、昨年度の15倍になっていることがわかりました。
これについて川崎市の福田紀彦市長は28日の会見で、「川崎市は多様な人たちの力で発展してきたので、街の価値として、誇りとして、差別は許してはいけない」と述べました。
今月10日には、SNSなどに差別的な内容を書き込まれたとして賠償を求める訴えを起こした市内の在日コリアンの女性に対し、その後も新たなヘイトスピーチが投稿される状況が続いていることを弁護団が明らかにし、国や市に対策を求めています。
福田市長は「ネット上の深刻な人権侵害への議論はもっとあっていいと思う。国でもしっかり対応を議論してもらいたい」と話していました。