相模原 障害者施設19人殺害事件から7年 施設で追悼式

相模原市の知的障害者施設で19人が殺害されてから7年となった26日、施設で追悼式が行われました。

2016年7月26日、相模原市にある県立の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で、入所者19人が殺害された事件から7年となった26日、現場に再建された施設で追悼式が行われ、遺族などおよそ90人が参列しました。
まず黒岩知事が「犯人が口にした『意思疎通が図れない人間は生きている意味がない』という考え方が、いかに自分勝手で、でたらめで、間違ったものであるか。私たちは二度とこのような悲しい事件を、起こさないようにしなければなりません」と式辞を述べました。
続いて黙とうが行われ、参列した人たちは静かに19人を悼んでいました。
このあと、事件の前から園で暮らしていた奥津ゆかりさん(54)が、入所者を代表して「私は会長として、園のみんなが困ったときや悩んでいるとき、相談して不安な気持ちを解決したいと思っています。19人の皆さんこれからも天国で私たちのことを見守ってください」と追悼のことばを述べました。
園の正面玄関の前には鎮魂のモニュメントと献花台が設置され犠牲者のうち遺族が希望した10人の名前が刻まれています。
参列者は花を手向けて、手を合わせていました。
園ではこのあと午後5時まで、一般からの献花を受け付けます。
東京から献花に訪れたという40代の男性は「弔いの気持ちをもって手を合わせました。あのような事件を絶対に再び起こしてはならないと改めて感じました」と話していました。
また、「SNSの投稿や街なかの場面をみると、弱い人たちへの視線や思いやりを欠いていると思うことも少なくありません。優生思想に染まってはいけないと考えています」と話していました。
兵庫県明石市の公立小学校で特別支援学級の担任をしている40代の男性は「風化させたくないと思い、毎年献花に来ている。まだ7年しか経っていないが、事件を知らない子どもたちや事件を思い出す大人が少なくなったと感じています。子どもたちには命の重さに軽いも重いもないということを伝えていきたいです」と話していました。
毎年献花に訪れているという相模原市内に住む50代の女性は「障害のある友人がいて、事件はひとごとではありません。7年たっても忘れられないし、絶対に繰り返してはいけないことです」と話していました。