川崎市 独自のぜんそく患者助成廃止案 市議会で可決

川崎市がぜんそく患者を対象に独自に行ってきた医療費の助成を、来年3月末で廃止する案について、29日市議会で採決が行われ賛成多数で可決されました。

川崎市は、国の公害認定の新規受付が終了してからも、公害認定の指定地域だった川崎市の川崎区や幸区を含めた市内全域のぜんそく患者に対し、年齢に応じて医療費の一部か全額を助成する独自の支援を続けてきました。
ことし3月現在、対象者は、子どもを含め1万2000人余りでしたが、市はこの助成を来年3月末で廃止して、ぜんそくを含めたアレルギーの発症と重症化の予防に向けた知識の啓発などに力を入れる方針を発表していました。
29日開かれた市議会で、助成を廃止する案の採決が行われ、賛成多数で可決されました。
川崎市の福田紀彦市長は「アレルギーの専門家や、患者団体代表の意見も聞き、地域医療審議会の答申も尊重して公平性の観点から判断した。これまでの受給者には丁寧な対応を行う」としています。
助成の廃止をめぐっては、ことし2月から3月に募ったパブリックコメントで、700通を超える市民からの反対意見が市に寄せられています。
患者でつくる団体の大場泉太郎事務局長は「制度が廃止されると、医療を受ける機会が少なくなるとか、病院から足が遠のいてしまうという声がたくさん届いている」と話しています。