東京湾アクアライン付近にクジラか 大型海洋生物の姿を確認

19日午後、東京湾アクアライン近くの海でクジラとみられる生物が確認されました。
海上保安部では周辺を航行する船に注意を呼びかけています。

横浜海上保安部によりますと、19日午後1時20分ごろ、東京湾を航行している船から「東京湾アクアライン付近で潮を吹いたり、潜ったりしているクジラを発見した」という通報が寄せられました。
通報を受けて横浜海上保安部が付近に巡視艇を向かわせたところ、クジラとみられる大型の生物の姿を確認したということです。
海上保安部によりますと体長は7メートル以上あるとみられ、当時、周囲にとどまりながら潮を吹いて泳いでいたということです。
周辺の海域はふだんから多くの船が通る場所だということで、海上保安部は周辺を航行する船に注意を呼びかけています。

クジラの生態に詳しい東京海洋大学の村瀬弘人准教授は「東京湾で目撃されたのは背びれや尾びれの特徴などからザトウクジラだと思われる。ザトウクジラは11月ごろから3月ごろにかけて繁殖のために沖縄や小笠原の海に向け、回遊しながら南下する。その間に東京湾に入り込んでしまうことは特段、珍しいことではない」と話していました。
そのうえで、映像からは体長が12メートルから13メートルくらいで元気そうに見えると分析し、今後も自力で南下を続けるとみています。
そのうえで、村瀬准教授は「レジャー中などにクジラを見かけたとしても興味本位で近づかないでほしい。また、衝突すると、船が傷ついたりクジラも死んでしまったりする可能性もあるので、航行にも気をつけてほしい」と指摘しました。
最近はザトウクジラの個体数が増えたほか、黒潮の流れも影響してここ数年は冬の時期、三宅島や八丈島の付近でよく目撃されているということです。

東京湾やその周辺ではこれまでも何度かクジラが目撃されています。
5年前の2018年6月には葛西海浜公園の沖や東京ゲートブリッジなどの近くで目撃情報が相次いで寄せられています。
同じ2018年の9月には神奈川県三浦市の沖合、浦賀水道の近くで体長およそ4メートルのクジラの死がいが見つかっています。