横浜の中学昼食「15分」が9割

横浜市教育委員会が、公立中学校で生徒が昼食をとる時間を初めて調べたところ、昨年度は9割の学校が「15分」で設定していたことがわかりました。
教育委員会は、食育や成長の観点から足りないとして、時間を延ばすよう改善を求めています。

横浜市では中学校の保護者から「子どもの昼食時間が短い」という指摘が増えているため、教育委員会が市内すべての公立中学校と義務教育学校148校を対象に、初めて昼食時間を調べました。
その結果、昨年度各学校の昼食時間は、準備時間はほとんどが5分で、昼食をとる時間は全体の9割に上る135校が「15分」だったことがわかりました。
残りの13校も「20分」でした。
教育委員会によりますと、各学校で長年続いているとみられ、時間の確保が難しいという声が現場から上がっているということです。
文部科学省は、昼食の参考となる給食の指導について示した手引きの中で、時間の目安は明示していませんが「楽しく会食する時間で、ゆとりある落ち着いた雰囲気で食事ができる環境づくり」を求めています。
横浜市教育委員会では、生徒の食育や成長の観点から改善を求めていて、一部の学校はこの春から5分延長していますが、8割近くが今年度も「15分」のままだということです。
横浜市教育委員会の木村典明首席指導主事は「中学生は特に成長が盛んで、望ましい食習慣を身につける大切な時期なので、引き続き昼食時間の十分な確保を求めていきたい」と話しています。

中学校の昼食時間について、文部科学省は、給食の指導について示した手引きを参考にしてほしいとしています。
手引きでは「友達や担任などと和やかで楽しく会食する時間で、ゆとりある落ち着いた雰囲気で食事ができるよう環境作りに心がけることが大切だ」と担任などに求めています。
具体的な時間については、生徒の発達段階や学校の実態が異なるため、一律に決められないとして基準や目安は示していませんが、今年3月に改訂される前の手引きでは、研究指定校などの実績として「食べる時間を含めた準備から後片づけが終わるまでの時間は、小学校で50分程度、中学校で45分程度」と紹介しています。

「15分」という限られた昼食時間、実際に中学生はどのように感じているのでしょうか。
横浜市西区の老松中学校では、昼休みの時間が午後0時45分からの30分で、昨年度まではこのうちの前半の15分間を昼食を取る時間に設定していました。
横浜市では中学校は給食がないため、4時間目が終わると生徒たちは持参した弁当か、「ハマ弁」と呼ばれる配達弁当を準備します。
午後0時45分、1年生のクラスでは「いただきます」のあいさつで昼食が始まりました。
席は授業の時のまま、1人ずつ前を向いた状態で、黙々とおかずやご飯を口に運ぶ生徒の姿も見られました。
午後1時、この学校では15分の時点でいったん「ごちそうさま」と挨拶しますが、教育委員会からの要請をうけ、今年度からは5分延長して昼食を取れるようにしました。
中にはわずか8分で昼食を食べ終えた男子生徒もいて、「短い昼休みに友達と遊びたいので早く食べ終わりたい」という声も聞かれました。
一方で、15分では食べ終わらなかった生徒もいて、その1人の女子生徒は「15分は短いです。周りの子が先に食べ終えるとあせってしまうけど、
もっとゆっくり食べたいです」と話し、男子生徒は「食べるのが遅いので15分では食べきれない時があります。時間を気にして急いで食べてしまいます」と話していました。
担任の瀧戸大介教諭は「個人差はあるがゆっくり食べる子に合わせたいし、できれば食べることに加えコミュニケーションを取り、友達と仲を深める時間にしてもらいたい」と話していました。
学校の時間割は校長の判断で変えられますが、学活の時間や授業の間の休み時間は削ることが難しく、終業時間を遅くすると部活動や委員会活動の時間が短くなったり下校が遅くなったりするため、この学校でも5分延長するにあたって教員の中で意見が分かれたといいます。
老松中学校の長澤茂雄校長は「学校の時間の枠組みを変えるとなるとさまざまな影響もあるが、子どもたちが落ち着いて食事を取れる環境を作っていく必要があると考えています」と話していました。