阿武町誤振込 “2審判決は不服” 被告側が最高裁に上告

阿武町から誤って振り込まれた給付金を別の口座に振り替えたとして電子計算機使用詐欺の罪に問われた裁判を巡り、被告側は2審の有罪判決を不服として最高裁判所に上告しました。

山口市の会社員、田口翔被告(26)は、おととし、阿武町から振り込まれた国の臨時特別給付金4630万円を、誤って入金されたと知りながら決済代行業者の口座に振り替えるなどしたとして、電子計算機使用詐欺の罪に問われています。
裁判では、誤って入金されたことを銀行側に伝える義務があったかなどが争点となり、被告側は「罪は成立しない」として無罪を主張したのに対し、1審の山口地方裁判所は去年2月に罪の成立を認めて懲役3年、執行猶予5年の判決を言い渡し、被告側が控訴していました。
6月11日に行われた2審の裁判で広島高等裁判所は「今回の送金などが正当な権利行使と言えないと判断し、罪の成立を認めた1審に誤りがあるとは言えない」として、被告側の控訴を退け、1審に続いて懲役3年、執行猶予5年の判決を言い渡していました。
この判決について被告の弁護人の山田大介弁護士は、「罪の構成要件からかけ離れた解釈がなされている。罪刑法定主義の観点からも社会的な影響が大きく看過できない」として最高裁判所に上告しました。