米軍 空母艦載機着艦訓練が終了 深夜の離着陸で騒音の苦情

防衛省は、アメリカ軍が5月17日から行っていた空母艦載機の着艦訓練について、アメリカ側から22日に終了したと連絡を受けました。
この間、岩国市にあるアメリカ軍岩国基地では空母艦載機と見られる機体が深夜に離着陸していたことが確認され、騒音への苦情が市に寄せられたということです。

中国四国防衛局によりますと、5月17日から岩国基地に所属する空母艦載機が九州沖で実施していたCQと呼ばれる空母への着艦訓練について、22日に終了したという連絡がアメリカ側からあったということです。
岩国市によりますと、この訓練の間、5月18日から20日にかけて運用時間外にあたる午後11時以降の深夜に艦載機と見られる機体が岩国基地の滑走路を使用し、あわせて16回の離着陸が確認されたということです。
また、訓練期間中に市内5か所に設置された測定器で、午後11時以降に70デシベル以上の騒音が5秒以上続いた回数は16回で、市には「夜中にうるさい」といった苦情が12件寄せられたということです。
岩国市基地政策課は「過去の苦情件数と比較すると今回は少ない数ではあるものの、市民からの苦情は寄せられているので、今後も騒音の低減に配慮するよう国やアメリカ側に求めたい」としています。
一方、岩国市によりますとアメリカ海軍の艦船、「ミゲルキース」と見られる艦船がアメリカ軍岩国基地に寄港しているのが確認されました。
ミゲルキースは「遠征洋上基地」とも呼ばれ、ヘリコプターが発着できる航空基地として、軍事作戦の後方支援を担う艦船で岩国基地への寄港は2年ぶり5回目だということです。
中国四国防衛局によりますと、これまでミゲルキースが寄港する際はアメリカ軍は補給などのためと回答していましたが、今回は船名や寄港の理由も明らかにしていないということです。
中国四国防衛局は「岩国基地の港湾施設は補給や物資の荷揚げなどを目的としているため、その範囲内の運用が行われると認識している」と見解を示していて、岩国市基地政策課は「補給など一時的な寄港であれば周辺住民に影響はほとんどないと思われるが、今後も動向を注視し、情報収集に努める」としています。