下関沖で転覆 ケミカルタンカー 船体の引き起こし作業完了

ことし3月、下関市の六連島の沖合で、韓国船籍のケミカルタンカーが転覆し、乗組員9人が死亡した事故で、23日、転覆した船体を引き起こす作業が行われ、およそ2か月ぶりに船体が海上に姿を現しました。

ことし3月20日、下関市の六連島の沖合で、悪天候のため停泊中だった全長68メートル余りの韓国船籍のケミカルタンカー「KEOYOUNG SUN(キョヨン・サン)」(870トン)が転覆し、インドネシア人などの乗組員9人が死亡したほか、いまも1人が行方不明になっています。
タンカーは、事故のあと船底を水面に出して転覆したままになっていましたが、門司海上保安部の巡視艇が現場周辺を警戒するなか、23日午前9時ごろから、サルベージ会社が大型クレーン船を使って船体を引き起こす作業を行い、昼前にはおよそ2か月ぶりに船体が海上に姿を現しました。
船の燃料の重油は、今月(5月)上旬にすべて抜き取られましたが、積み荷の「アクリル酸」およそ980トンは積まれたままで、これまでに「アクリル酸」の流出は確認されていないということです。
事故の調査を行っている会社によりますと、このあと船内の海水を抜く作業を行うということです。
また、海上保安部は、作業が終わるのを待って、行方不明の乗組員の捜索や事故の検証を行うことにしています。