トクヤマ 昨年度決算 2年ぶりの増益

周南市に本社がある総合化学メーカー、「トクヤマ」が発表した昨年度のグループ全体の決算は、セメントなど国内向け製品の販売価格の見直しなどで増益となり、最終的な利益は177億円と前の年度を90%上回り、2年ぶりの増益となりました。

トクヤマが発表した昨年度のグループ全体の決算では、売り上げは3419億円と前の年度を3%下回りました。
これは、コロナ禍で急激に高まったパソコンやスマートフォンの需要が落ち着くなど半導体の市場が低迷し、関連製品の販売量が減ったことが要因だとしています。
一方、本業のもうけを示す営業利益は、燃料や原料の価格が下がったことに加え、セメントなど国内製品の販売価格の値上げで256億円と、前の年度を79%上回り、6年ぶりの増益となりました。
そして、税金などを差し引いた最終的な利益は177億円と前の年度を90%上回り、2年ぶりの増益となりました。
トクヤマの奥野康徳山製造所長は「販売価格の値上げについてお客さまの理解が進んだことや製造ラインで大きなトラブルなく安定的に生産できたことでようやく2022年度の水準まで収益が戻った。引き続き、安定的な生産と製造コストの改善に努めたい」と話しています。