中間貯蔵施設建設へ 中国電力がボーリング調査開始 上関

中国電力は、上関町での使用済み核燃料を一時保管する中間貯蔵施設の建設に向けて、23日から現地で施設の建設が地質的に可能かどうかを確認するボーリング調査を始めました。

中国電力は、去年(令和5年)8月、上関町で原発から出る使用済み核燃料を一時保管する中間貯蔵施設の建設に向けた調査を行う方針を示し、文献調査を開始するとともに、敷地内の木の伐採などの準備を進めてきました。
こうしたなか、中国電力は、準備が整ったとして、23日午前10時すぎにボーリング調査を始めたことを明らかにしました。
ボーリング調査は、敷地内の11か所で、深い所では300メートルの地質を調べるなど、およそ半年にわたって行われる予定で、地盤の面で施設の建設が可能かどうか調査結果を町に報告する方針です。
敷地の入り口周辺では、中間貯蔵施設に反対する住民グループなど県内外から30人ほどが集まり、「ボーリング調査するな」と書かれたボードを設置して、ボーリング調査に対して抗議しました。
午後には、一部のメンバーが中国電力の現地事務所の前に移動し、中間貯蔵施設の建設をやめるよう訴えていました。
抗議活動を呼びかけた団体の小中進 代表は、「関西電力が管内で中間貯蔵施設を受け入れてもらえないのは、危険や不安があるからで、極めて不透明な形で調査が始まることに怒りを感じる」と話しています。

【上関 西町長 “国に説明求めたい”】
ボーリング調査が町内で始まったことについて、上関町の西哲夫町長は、「調査が始まったことは別に大きな節目ではなく変わった思いはない。中国電力には、安全第一で事故がないように確実に調査を進めてほしい」と述べました。
そのうえで、「調査の結果、適地とわかった場合、核燃料サイクル政策の方針について国に説明を求めたい」と述べ、国と中国電力、それに、町が合同で住民への説明会を開きたいという考えを示しました。