米軍岩国基地周辺 航空機の騒音苦情 昨年度は過去最多

昨年度(令和5年度)、アメリカ軍岩国基地周辺で岩国市が測定した航空機の騒音回数は、滑走路を沖合に移設して以降では5か所中4か所の観測地点で最多で、騒音への苦情も過去最多になりました。

岩国市は、アメリカ軍岩国基地周辺の5か所に測定器を設置し、70デシベル以上の騒音が5秒以上続いた回数などをまとめています。
それによりますと、昨年度は、滑走路から南におよそ2キロの尾津町5丁目で1万1469回、北におよそ2キロの川口町1丁目で9978回の騒音が観測されるなど、5か所中4か所で、騒音対策のため滑走路を沖合に移設した平成22年度以降、最も多くなりました。
また、昨年度、市に寄せられた騒音に対する苦情は7260件で、前の年度よりも2000件余り増え、過去最多になりました。
原因として、去年(令和5年)7月、別の基地から飛来した外来機がアメリカ軍の大規模演習に参加したことや、空母艦載機部隊が例年より滞在期間が長かったことなどが影響したとみられています。
岩国市基地政策課では、「外来機の運用が当たり前にならないよう国にも要望したい」としています。
また、アメリカ軍岩国基地は、許可されている飛行高度よりも自主的に高く設定した高度を飛ぶなど、騒音低減に努力しているとしたうえで、「基地はよき隣人でありたいと努力を続けているが、一方で、アメリカ軍の責務を果たすべく軍の能力を確実なものとするためには訓練が極めて重要だ」とコメントしています。