「いのちの日」前に命の大切さ考える授業 下関

いじめが原因で自殺した中学生の命日にあたる4月13日を「いのちの日」として定めている下関市では、12日ほとんどの公立学校や幼稚園で、命の大切さを考える授業などが行われました。

下関市は19年前、いじめが原因で当時中学校3年の安部直美さんが自殺したことをきっかけに、12年前から安部さんの命日の4月13日を「いのちの日」に定めています。
この日を前に、安部さんが通っていた市内の川中中学校では全校生徒675人が体育館で黙とうをささげました。
このあと、大学1年生の時にアメリカンフットボールの試合中に首の骨を折る大けがをして車いすの生活を送る中村珍晴さんが講演しました。
中村さんは、人生に絶望していた時に、「苦しみをすべては理解できないが少しでも力になりたい」と兄が仕事を辞めて生活を支援してくれた経験を語り、「当たり前の中にある感謝を探す癖をつけて、いまを生きる瞬間の大切さを知ってほしい」と訴えました。
また、講演会に出席した安部さんの母親のとしえさんは、「娘が亡くなってから悲しみがいえることはありません。いじめは、人の未来だけでなく自分の未来も壊すことになるので、絶対にしないで下さい」と呼びかけました。
3年生で生徒会長の玉置拓也さんは、「自分は充実した日々を過ごしているので、その一瞬一瞬をかみしめながら生きていきたい」と話していました。