萩 「山口伝統工芸展」開幕 技と美を紹介

県内で受け継がれる伝統工芸の技と美を紹介する「山口伝統工芸展」が、萩市で始まり、5日は優秀作品の表彰式が開かれました。

この催しは、山口県内の伝統工芸について知ってもらおうと、日本工芸会山口支部が毎年、開いています。
会場の山口県立萩美術館・浦上記念館には、陶芸やすずりなど36人の作家による91点が展示されています。
5日は作品の表彰式が開かれ、最優秀賞にあたる日本工芸会山口支部長賞が宇部市のすずり作家、日枝陽一さんに贈られました。
日枝さんの作品「円硯(えんけん)」は、2つの円がやや斜めに交差して重なったかのような形をした赤間硯(あかますずり)で、日枝さんは「制作中はこの石と向き合い、できるかぎりのことをやった作品なので、見ていただいた方にきれいだと純粋に言っていただければうれしいです」と話していました。
また、NHK山口放送局賞を受賞した忰山美知子さんの作品「蒟醤箱『豆』(きんまはこまめ)」は、豆をモチーフにきんまと呼ばれる漆の装飾技法を用いて奥行きのある作品に仕上げています。
忰山さんは「色漆の豆の奥に見えるグレーの葉の部分まで眺めてほしい」と話していました。
「山口伝統工芸展」は今月14日まで開かれ、期間中は各作家が立ち会って作品紹介も行います。