新捕鯨母船「関鯨丸」完成し引き渡す式典 下関

新しい捕鯨母船としておととしから下関市の造船所で建造が進められてきた「関鯨丸」が完成し、現地で、船主の水産会社に船を引き渡す式典が開かれました。

完成した「関鯨丸」は、長さ112.6メートル、幅21メートル、総トン数9299トンの新しい捕鯨母船で、去年まで30年以上活躍した「日新丸」のあとを継ぐ船として建造されました。
式典を前に船の操舵室で神事が行われ、船主や造船所などの関係者が玉串を奉納して船の操業や航海の安全を祈りました。
このあと下関市にある造船所の事務所で、船主で東京の水産会社「共同船舶」と船を建造した「旭洋造船」の社長が、それぞれ引き渡し証書に署名して証書を交換しました。
「共同船舶」の所英樹社長は会見で、「関鯨丸は沖合母船式捕鯨を未来永劫につないでいく第一歩です。この流れを続けていくためにもぜひ皆さんにクジラを食べてもらいたい」と述べました。
完成した「関鯨丸」は29日午後、冷凍用のコンテナの設置のため関門橋の下を通って下関港の長州出島に向かいました。
4月3日に下関港で鯨肉加工会社や報道機関などを対象に船内の見学会が行われるほか、5月21日には今シーズンの捕鯨に向けて出港式が行われる予定です。