「安全安心#それっちゃ」 高齢ドライバーの交通事故防止

犯罪や事故などから身を守るためのお役立ち情報をお伝えする「安全安心#それっちゃ」です。
今回は、高齢ドライバーによる交通事故の注意点についてお伝えします。

過去6年間に県内で発生した人身事故の件数です。
平成30年の4010件がピークに、年々減少傾向にあり、去年(令和5年)は半数近い2269件でした。
ただ、発生件数全体に占める高齢ドライバーの事故の割合は、年々増えています。
平成30年に24.3%だったものが、去年は29.6%でした。

高齢化社会が進み、免許を持っている高齢者の数が増えていることが大きな要因です。
去年の65歳以上の免許保有者は27万4245人で、この10年間で最も多くなっています。

高齢ドライバーの事故のニュースをお伝えするケースも増えました。
今月(3月)はじめには、長門市で、70代の男性が運転する軽乗用車がスクールバスと衝突し、女子中学生2人と軽乗用車の女性2人の合わせて4人が軽いけがをしました。
また、去年10月には、80代の男性が運転する乗用車が岩国市にあるスーパーの屋外売り場に突っ込み、客の女性が軽いけがをする事故もありました。
男性は、「駐車場に車をバックで止めようとしたところ、シフトレバーがバックに入っておらず、前進した」などと話していたということです。

警察も高齢ドライバーに安全運転の意識を高めてもらおうと各地で講習会などを開いています。
今月、美祢警察署と地元の交通安全協会が高齢ドライバーを対象に開いた安全運転講習会です。
美祢警察署管内では、スーパーなどの駐車場内での事故が増えているそうで、公民館の駐車場を使い、実践形式で講習を行いました。
講習会では、はじめに運転席から見えにくい場所、「死角」について学びました。
白いひもより下の部分が「死角」です。
車の前方でも、警察官がかがんでいる場所は小さな子どもだと見えない可能性あります。
さらに、左右の斜め後方もミラーだけでは見えにくいため注意が必要です。
ミラーだけを見ながら後方の段ボールの1メートル手前で止まれるか体験しました。
ミラーだけに頼ると車体感覚がうまくつかめないため、やはり目視での確認が大切です。

去年、県内で発生した高齢ドライバーの人身事故を形態別にみると、追突事故と交差点での出会い頭の事故がそれぞれ167件で最も多く、次いで右左折中の事故が101件になっています。
また、事故の原因別では、交差点での安全確認不足が128件、前方不注意が112件になっています。

事故防止のためには、まずは自分の身体能力についてしっかりと把握することが必要です。
若い頃と比較して、視野が狭くなったり、判断力やが鈍くなったりしていますから、安全運転講習などに参加して、自分の運転技能を自覚し、それにあわせた運転をすることが大切になってきます。
例えば、体調が悪い時や、周りが見えにくい夜間の運転は控えるなど、自分でルールを設けておくことも事故防止につながります。
また、自動ブレーキやアクセルの踏み間違いによる急発進を防止するサポート機能のついた車もありますので、不安な方はそうした車に乗り換えることも大切です。

年を取ってから事故を起こしてしまうと、相手や自分だけでなく、家族にも迷惑をかけていますから、体の衰えを感じたら、免許を返納するという選択も必要かもしれません。