オスプレイ飛行再開方針 福田岩国市長 “国の説明は不十分”

アメリカ軍などが、14日以降、日本国内でのオスプレイの飛行を段階的に再開する方針を示すなか、岩国市の福田市長は、これまでの国の説明について、「一定の理解をしないといけないと思っているが、説明は十分ではないといわざるをえない」と述べました。

去年11月、鹿児島県屋久島沖でアメリカ軍のCV22オスプレイが墜落し、乗員8人が死亡した事故を受け、アメリカ軍と陸上自衛隊は、すべての機体について飛行停止の措置をとっていました。
こうしたなか、防衛省は、14日以降、整備などを終えた機体から国内での飛行を段階的に再開すると発表し、沖縄県のアメリカ軍普天間基地では、オスプレイが飛行を再開しました。
アメリカ軍岩国基地にも事故を起こした機体と同型の2機が駐機していて、14日は車にけん引され、基地内を移動する様子は見られましたが、飛行は再開しませんでした。
飛行再開に向けた一連の流れについて、記者団の取材に応じた岩国市の福田市長は、事故の原因は部品の不具合で機体自体の安全性に問題はないことや、安全対策を行って、今後、段階的に運用を再開させていくという説明が国からあったことを明らかにしました。
そのうえで、「専門的な分野なので、我々は一定の理解をしないといけないが、細かい情報はこれ以上なく、十分な説明だったかというと、十分ではないといわざるをえない」と述べました。
そして、国やアメリカ側に航空機の安全運用を徹底し、地域住民に最大限配慮するよう求めていました。

【オスプレイ飛行再開方針 村岡知事 “安全確保最優先に”】
オスプレイの飛行再開について、山口県の村岡知事は、「オスプレイは岩国基地に配備されているわけではないがたびたび飛来していて、このたびの事故は地域住民に大変な不安を与えている。安全の確保を最優先にこれからも確認作業などを行っていただきたい」と述べました。
そのうえで、事故原因の詳細が明らかではないことについて、「事故の詳細はアメリカ国内の法律によって示すことができず、制度的にできないものという壁があるのかなと感じている。安全な運航ができると国としても考えているというところを信じるほかない」と述べました。
さらに、「できれば詳細な情報が提供されるべきだが、いろんな制度の制約があって難しいということも分からなくもない。不安に寄り添う意味でも、制度的にできる最大限のことはやっていただきたい」と求めました。

【市民連合 内山新吾共同代表 “米軍の言いなりの政治”】
県内の一部の野党と市民団体は、山口市で定例の会合を開き、このなかで、オスプレイの飛行再開について、事故原因が明らかではないなかでの再開は、国民の安全をアメリカ軍の判断に委ねることになり、問題だという認識を共有したということです。
会合のあと、市民連合@やまぐちの内山新吾共同代表は、「何ら事故原因の究明がされず、本当に必要な手が打たれたのか明らかにならないままに飛行再開になってしまった。アメリカの言いなり、米軍言いなりの政治に私たちの命を委ねてよいのか、多くの市民に訴えていく必要がある」と話していました。