“認知症に理解を” VRで症状を疑似体験 山口

認知症への理解を深めてもらおうと、VR=バーチャルリアリティの技術で市民が認知症の症状を疑似体験する教室が、山口市で開かれました。

この教室は、山口市が、認知症の症状を疑似体験することで、患者の立場から病気について理解してもらおうと開きました。
教室には市民らおよそ30人が参加し、ゴーグルとヘッドホンを装着してVRの技術で再現された認知症の症状を体験しました。
このうち、空間の距離感がうまく認識できなくなる症状の体験では、車から降りる少しの段差がビルの屋上のような高さに感じるようになっていて、参加者は、身をかがめたり、固まって動けなくなったりしていました。
また、実際にはない人や物が見える「幻視」の症状なども体験し、参加者は、認知症の人の視界や不安な気持ちについて理解を深めていました。
参加した40代の男性は、「今まで本や人の話でしか症状について知りませんでしたが、体験して理解が深まりました」と話していました。
山口市高齢福祉課の山下和美 主査は、「認知症の人に接する時は本人の視点に立つことが大切です。家族や地域の人が認知症になった場合は、自分だったらどう接してもらったらうれしいかを考えて接してほしいです」と話していました。