下関の豊北病院 資金難で事実上閉鎖 背景は

資金難で経営が立ちゆかなくなっている下関市豊北町にある「豊北病院」は入院患者全員が転院し、事実上、閉鎖しました。

下関市豊北町の「豊北病院」は内科や循環器内科などを備えた民間の総合病院で、町内では唯一、入院可能な医療機関として地域を支えてきました。
しかし、資金難で看護師への給与が未払いで取引先への支払いも滞り、予定していた外部からの支援も受けられなくなったとして、関係者に閉院の方針が伝えられていました。
病院では2月1日から入院患者26人の市内と長門市内の病院などへの転院を進めて、その翌日から外来診療を中止し、2月9日にはリハビリのデイサービスを終了しました。
そして、26日残っていた入院患者が転院し、事実上、閉鎖しました。
運営する医療法人の理事は26日も病院には姿を見せず、看護師らに閉院するつもりだと口頭で伝えているだけで、今後の具体策などは明らかにしていないということです。
看護師の女性は、「患者の中には家族だと思ってくれた人もいたので、こんなことになりむなしさしかありません」と話していました。
また、植村明美看護部長は医療法人に対し「地域医療への貢献をうたっていたので、理事長や理事らが現場を交えて話し合い、地域に残れる手だてがなかったのかなと思う」と話していました。