“近代日本画の父” 狩野芳崖の特別展 下関市立美術館

「近代日本画の父」といわれる下関出身の画家、狩野芳崖の代表作などを集めた特別展が、下関市で開かれています。

この特別展は、下関市立美術館の開館40周年を記念して開かれ、芳崖の代表作をはじめ芳崖の弟子などが描いた作品、およそ120点が展示されています。
このうち、芳崖の代表作で、国の重要文化財にも指定されている「悲母観音」は、水墨画の技法と西洋画の手法を用いて、慈悲にあふれる観音とそれを見上げる赤ん坊を細やかな筆遣いで描いた作品です。
地元、下関での展示は16年ぶりになるということです。
また、もう一つの代表作、「仁王捉鬼図(におうそっきず)」は、当時では珍しかった西洋の顔料を使って描かれた日本画で、仏を守る仁王が鬼を捕まえてこらしめる様子が多様で濃密な色彩で描かれ、近代日本画の誕生を記念する作品とされています。
このほか、芳崖が長府藩の御用絵師時代に描いた作品なども展示され、訪れた人たちが熱心に鑑賞していました。
下関市立美術館の岡本正康 館長は、「実物を見てその大きさや壮大な構想とともに、こまやかな世界が一致している驚異の世界を感じほしい」と話していました。
この特別展は、下関市立美術館で来月(3月)17日まで開かれています。