“金属不正売却” 町長に歯科医師らに損害賠償求めるよう提訴

周防大島町の町立の診療所の歯科医師が、治療で取り外した歯の詰め物などの金属を不正に売却して対価を得ていたと推認されるとして、町民が町長に対して、歯科医師らに3000万円の損害賠償を求めるよう山口地方裁判所に提訴しました。

周防大島町では、町立橘医院の50代の男性歯科医師が、治療で取り外した歯の詰め物などに含まれる金や銀などの金属の一部を許可なく寄付したとして、おととし(令和4年)12月に、1か月間、減給10分の1の懲戒処分を受けています。
この問題について、町民10人が、歯科医師が金属を不正に売却して対価を得ていたと推認されるとして、藤本浄孝町長に対して、歯科医師と管理者に3000万円の損害賠償を求めるよう、15日、山口地方裁判所に住民訴訟を起こしました。
訴状などによりますと、▼歯科医師は金属を東日本大震災の被災地に寄付したと弁明しているものの、いつ誰に寄付したのか明らかにしていないうえ、▼20年余りに渡って金属を不正に売却し、町におよそ3000万円の損害を与えたとしています。
原告の1人で会見を行った大島郡歯科医師会の岡田秀樹会長は、「歯科医師の説明に矛盾があるのに町はきちんと調べていない。裁判で真実を明らかにしてほしい」と話していました。
一方、町は、「訴状が届いていない。届きしだい対応を協議したい」とコメントしています。
この問題をめぐっては、去年(令和5年)2月に、原告の1人がこの歯科医師を業務上横領の疑いで刑事告発しています。