JR西日本 “山陰本線 復旧に向けた検討進める”

去年6月末からの記録的な大雨で、一部の区間で運転を取りやめている山陰本線について、JR西日本は橋脚の改築など復旧に向けた検討を進めていくことを明らかにしました。

JR山陰本線は、去年6月末から7月にかけての記録的な大雨で、橋脚が傾くなど大きな被害を受け、長門市駅と下関市の小串駅の間で運転を取りやめています。
29日山口市内で開かれた定例会見で、JR西日本中国統括本部広島支社の広岡研二支社長は、山陰本線の被災か所が69か所に上っていることを明らかにしました。
このうち、粟野川橋りょうは橋脚が下流側に1.4メートル傾いているということで、広岡支社長は、この橋脚を改築するなど復旧に向けた検討を進めていくことを明らかにしました。
復旧には少なくとも1年半程度の工期が必要なことから、橋りょう以外の区間での部分的な運転再開も検討しているということです。
広岡支社長は「鉄道としての持続可能性を確保するため、沿線の自治体の方々と相談していきたい」と話していました。
一方、全線で運転を見合わせている美祢線について、広岡支社長は「災害に対するリスクが非常に高い線区で厚狭川の河川改修計画も10年程度かかることをあわせて考えるとすぐに復旧について検討するということにはなかなか至らない」と述べました。

JR西日本が山陰本線の復旧に向けて検討を進めることを明らかにしたことについて、下関市の前田市長は「沿線住民や利用者の不安解消に向け、一歩前進したと思っている。JRに対しては、引き続き早期の部分運行などを要望するとともに県や沿線市とも連携しながら、ひとつずつ復旧に向け前進させていきたいと考えています」とコメントしています。