宇部の幼稚園 園児が震災について学び犠牲者に祈り

6434人が亡くなった阪神・淡路大震災から29年になる17日、宇部市の幼稚園では、子どもたちが絵本などで震災について学び、犠牲者に祈りを捧げました。

宇部市の「宇部さゆり幼稚園」では、毎年、阪神・淡路大震災の発生した1月17日に、子どもたちに震災について語り継ぐ取り組みを行っていて、17日は、園内の聖堂に年長の園児12人が集まりました。
はじめに、三隅芙美枝教諭が、建物が倒壊したり、高速道路が横倒しになったりした写真を見せながら、阪神・淡路大震災で6434人が亡くなったことを説明しました。
続いて、倒れた家の下敷きになって亡くなった小学生の女の子への思いを友達の目線から描いた絵本の読み聞かせが始まると、子どもたちは熱心に聞き入っていました。
そのあと、子どもたちは折り鶴を祭壇に供え、手を合わせて犠牲者に祈りを捧げていました。
6歳の女の子は、「地震で色んな人が悲しい思いをしていると分かった。やさしい気持ちでお祈りしました」と話していました。
宇部さゆり幼稚園の丸田幸正園長は、「子どもたちには、地震の怖さとともに、友達と助け合うことや人と人の絆の大切さをしっかり学んでもらいたい」と話していました。

【「Lアラート」県のホームページ登録時に報道機関に情報配信へ】
市や町が「避難指示」などの情報を、テレビなどで一斉に伝える災害情報共有システム「Lアラート」をめぐり、山口県内の2つの町では去年、報道機関への情報配信を失念するケースがありました。
これを受けて県は、避難の情報を県のホームページに登録する際に、報道機関への情報配信も同時に行われるように、今年度中にシステムの基本設定を変更することを決めました。
去年、山口県では2度にわたって記録的な大雨となり、上関町では7月1日の午前3時20分に町内の一部に「避難指示」を、阿武町は7月8日午後5時に全域に「高齢者等避難」の情報を出しました。
本来、市や町はこうした避難情報を県のホームページに登録するとともに、災害情報共有システム「Lアラート」を通じて一斉に報道機関などに伝えることになっています。
ところが2つの町では、報道機関に伝える操作を失念し、テレビや災害情報を発信するアプリなどに避難の情報が反映されませんでした。
こうしたケースを受けて、山口県は避難の情報を県のホームページに登録する際に、報道機関への情報配信も同時に行われるようにシステムの基本設定を変更することを決めました。
県は、今年度予算の予備費を活用して年度内に変更を終え、新年度には市や町と行うLアラート入力の研修会で、システムの使い方などを周知することにしています。

【災害情報共有システム「Lアラート」とは】
災害情報共有システム、「Lアラート」は、災害が起きた際に自治体が発表する「避難指示」や「高齢者等避難」といった避難の情報などを、テレビのデータ放送やインターネットを通じて住民に素早く伝えるシステムです。
報道機関などへのスムーズな情報共有を目的に、平成23年から運用が始まりました。
しかし、全国の市町村では、入力を担当する職員がたびたび変わることなどが原因で、例年、避難情報を出してからLアラートで住民に伝えるまでに時間がかかったり、Lアラートでの情報配信が行われなかったりといったケースが相次いでいます。
今月(1月)1日に発生した能登半島地震の際にも、新潟市が避難指示の情報の入力を失念していたということです。