上関町 祝島 タンク貯水率約40% 13年ぶり節水呼びかけ

雨が少ない状況が続く中、上関町の離島、祝島では生活用水に利用しているタンクの貯水率が40%ほどになり、町が13年ぶりに節水の協力を呼びかけています。

およそ300人の島民が暮らす上関町の祝島では、あわせて8000トンの容量がある5つのタンクに川の水をためて生活用水として利用しています。
しかし、ことしは台風や秋雨前線による雨がほとんど降らず、例年この時期だと70%から80%ほどあるタンクの貯水率が40%ほどにまで減っているということです。
このまま雨の少ない状況が続けば、あと2か月ほどでタンクの水が枯渇するおそれがあり、町では13年ぶりに島民に節水の協力を呼びかけています。
このうち島内にあるコーヒー店では、食器を洗う際の水の量を減らそうと、節水タイプの蛇口に付け替えたということです。
店を営む堀田圭介さんは「水が出ないと商売できないので深刻な問題です。お店で水を使うことが多いので少しでも節水できるように工夫しています」と話していました。
一方、島民の中には、かつて使っていた井戸をきれいにして洗濯用の水に使おうという人もいます。
30代の男性は「水がなくなると困るので個人でできることをやっている。雨が降ってほしい」と話していました。
町土木建築課の武末洋明 主任主事は「祝島のみなさんの節水の協力に感謝している。水不足が続いている中、引き続き節水の協力をお願いしたい」と話していました。

【自治会なども節水の協力呼びかけ】
町によりますとタンクの水が枯渇した場合、船で水を運ぶ対応を検討することになりますが、島の自治会と消防団では町とは別に節水の協力を呼びかけています。
具体的には、回覧文書で水不足がかなり深刻なことを伝え、お風呂の水を洗濯水に利用することや、洗濯機の設定を節水モードに変えるよう呼びかけています。
祝島自治会の恵比須茂樹会長は「天候のことなのでどうしようもないが、雨が降るのを期待しながら一人一人が節水を心がけている」と話していました。