安倍元首相死去後 昭恵さん代表政治団体に計1億8770万円

安倍元総理大臣が代表を務めていた政治団体「晋和会」に去年、安倍氏の死去後に5つの政治団体からあわせておよそ1億8770万円が寄付の形で移されていたことが、総務省が公開した政治資金収支報告書からわかりました。
団体の代表者は妻の昭恵さんに引き継がれ、通常の相続と異なり、課税対象となっていないことから、専門家は「違法ではないが、相続税の支払いがなく引き継がれ、不当だ」と指摘しています。

総務省が公開した去年1年分の政治資金収支報告書などによりますと、安倍元総理大臣が代表を務めていた政治団体「晋和会」には安倍氏の死去後の去年7月から12月にかけて、安倍氏が関係する5つの政治団体から総額およそ1億8770万円が寄付の形で移されていました。
「晋和会」の代表は妻の昭恵さんに引き継がれ、通常の相続と異なり、課税対象となっていません。
政治資金の問題に詳しい神戸学院大学の上脇博之教授は、「違法ではないが、実質的に相続税の支払いがなく親族に莫大な政治資金が引き継がれ、不当だ」と指摘しています。
また、ことし9月に公表された去年の政党交付金使途等報告書によりますと、安倍氏が代表を務めていた「自由民主党山口県第四選挙区支部」には、安倍氏の死去後、税金を原資とする政党交付金およそ3080万円が残っていました。
この支部はことし1月に解散していて、団体が解散した際には、残った額は原則として国庫に返還することになっていますが、安倍氏の死去後に昭恵さんが代表となり、例年と比べて2倍以上の人件費や事務所費として、去年のうちに使い切られていました。
上脇教授は、「本来なら政党交付金の余った部分は国庫に返納すべきで、選挙区の候補者でない人物が支部の代表となり使い切ったのは公金の私物化だ」と指摘しています。