仕事辞めた女性が再就職へ 「ママドラフト会議」でアピール

育児や介護などでやむをえず仕事を辞めた女性が再就職に向けてキャリアや能力をアピールし、事業者とのマッチングを行う「ママドラフト会議」が山口市で開かれました。

山口市で開かれた「ママドラフト会議」には、再就職を目指す20代から50代の母親51人と、山口県内に事業所がある58の企業などが参加しました。
開会式では、希望者3人が企業の担当者に向けて自分をアピールするプレゼンテーションを行い、職務経験やスキルのほか、再就職への熱意を語ると、担当者は一斉に「いいね」と書かれたプラカードを掲げていました。
このあと、参加者が各企業のブースを回って交流する場も設けられ、母親たちは担当者に仕事の内容について尋ねるとともに、勤務時間など労働条件の希望を伝えていました。
参加者と企業側の意向や条件がマッチングした場合、今後、個別で就職に向けた交渉を行うということです。
「ママドラフト会議」はこれまでに3回行われ、参加者の66%にあたるあわせて104人の女性が就職につながったということです。
催しを企画した「NPO法人あっと」の藤井智佳子代表理事は、「仕事を辞めざるを得なくなり、再び働きたくても子育てとの両立などに不安を抱えている女性にとって、自分らしく働ける場を見つける機会になってほしい」と話しています。

ママドラフト会議に参加した周南市の山野香さん(34)です。
山野さんは、高校を卒業後、塾で英語の講師として働いていましたが、6年ほど前、夫の転勤のために仕事を辞めました。
去年、夫の病気をきっかけに地元に戻り、現在は、3人の子どもの子育てをしながらも英語力を生かせる仕事に就きたいと考えています。
開会式で山野さんはみずからプレゼンテーションを希望し、英語力でアピールしました。
「私にとって英語は見たことのない新しい世界を見せてくれる魔法の言葉です。人生を支えてきてくれた英語で家族を支えられる仕事に出会えたら幸せです」
このあとの交流会では、英語を使える人材を求める企業のブースを回り、途中、プレゼンテーションを見た企業の担当者から声を掛けられて話を聞きに行く場面もありました。
山野さんは「同じような境遇のママさんがたくさんいてとても心強かったです。子どもがいるママに働きやすい企業が来ているので安心して話ができました。いろんな企業と話して将来のビジョンが明確になりました。ご縁があるところがあれば就職したいです」と話していました。