内縁の妻殺害し遺体放置 被告に懲役13年の判決 山口地裁

内縁の妻を殺害して、山口市の自宅に遺体を放置したなどとして殺人や死体遺棄などの罪に問われた被告の裁判員裁判で、山口地方裁判所は「残忍で執拗な犯行だ」などとして、懲役13年の判決を言い渡しました。

住居不定・無職の森冨晃被告(55)は、おととし4月、山口市で同居していた内縁の妻の胸や首などを包丁で刺して殺害し、遺体を自宅に1年以上にわたって放置したほか、生存しているように見せかけて年金を受け取っていたなどとして、殺人と死体遺棄、それに詐欺などの罪に問われました。
これまでの裁判で検察が懲役16年を求刑したのに対し、被告の弁護士は「犯行当時は精神障害があり責任能力はなかった」などとして、殺人と死体遺棄については無罪を主張していました。
16日の判決で山口地方裁判所の安達拓裁判長は、「被告は殺害後に遺体を移動させて凶器を洗うなどしていて、犯行前後の行動には精神障害を疑わせる不自然な点は見当たらず、当時、精神障害にり患していたという疑いは生じない」と指摘しました。
その上で、「寝ていた際に胸を刺されて逃げる被害者をさらに複数回刺して殺害した犯行は残忍で執拗だ。白骨化するまで遺体を放置したことも軽視できない」などとして、懲役13年の判決を言い渡しました。