美祢市特産「厚保くり」 記録的不作で直売所での販売取りやめ

美祢市特産のくり「厚保くり」がことしは記録的な不作になっていて、JAでは、今シーズンの直売所での販売を取りやめることにしました。

県内有数のくりの産地、美祢市では厚保地区を中心に栽培されたくりを「厚保くり」のブランドで出荷していて、多い年では1日あたりの集荷量が1000キロ近くありますが、今年度は1日あたり30キロ前後の日が続いています。
JAの直売所では、毎年、多くの人が「厚保くり」求めて訪れますが、今シーズンは出荷の見通しがたたず、直売所での販売を中止することにしました。
JAの職員は、販売中止を知らずに直売所を訪れた人や電話での問い合わせなどへの対応にあたっていました。
JAによりますと、6月末からの記録的な大雨や夏の猛暑で受粉がうまく進まなかったことが、不作の原因と見られるということです。
夫婦で訪れた市内の70代の女性は「くりご飯や親戚に送るため買いに来ましたが、くりがなくてびっくりしました」と話していました。
JA山口県美祢統括本部秋芳営農センターの河村佳克さんは「これほど収穫が少ないのは過去になく、販売できないのは心苦しいです。お客さんが厚保くりから離れてしまうことが心配です」と話していました。

【観光栗園は休園に】
美祢市厚保地区の宮田観光栗園では、毎年9月から有料でくり拾いを体験することができ、多い日は100人ほどの観光客などでにぎわいます。
しかし、記録的な不作のため、9月は休園を余儀なくされました。
くり園によりますと、いまの時期は、足の踏み場がないほどくりの実が落ち、9月下旬の時点で1000キロほどを収穫していますが、ことしはわずか20キロほどしか収穫できていないということです。
宮田観光栗園の宮田修園長は、「50年ほど観光農園を経営していますが、ここまでの不作は初めてです。今シーズンはくりの収入はほとんど見込めず、困っています」と話していました。